1.相手の問題

おんがく

前回の続きです。

一緒に演奏している奏者に自分のやっていることが受け入れられなかったらどうしよう、
と思って緊張するというお悩みについてお答えします。

この緊張は、能力のある奏者特有の悩みではないかな、と思います。

私の知っている超有名で世界的に活躍されている演奏家の学生の頃のお話です。
入学してすぐに先生から破門。
どうにか自分で試行錯誤し超絶練習をした結果、
4年後は首席で卒業したそうです。

その後、海外で勉強し、コンクールでは数々の優勝歴、ソリストとして名だたるオーケストラとの共演、
人柄は素晴らしく、当時ペーペーだった20代の頃の私にも本気で音楽の話をしてくださいました。
私はその方の音楽が大好きで、モーツァルトやベートーベンが大好きになったきっかけを与えていただきました。

この緊張の悩みを聞いた時に、真っ先にその方を思い出しました。

今回の緊張の悩みを抱えた方も、

相手に伝わらない、理解されない、
言葉にしても表現に限界がある、
本当にやりたい音楽ができない

きっとこんなことをたくさん思って過ごされたことと思います。

私は思います。
これって受け取る側の問題で、あなたの問題ではありません。

そもそもあなたの能力が高すぎるんです。

これだけ聞くと、なんて罪なお方・・・
と思いますが、でも実際にそうなのです。

相手に分かってもらいたくても、今の時点で相手には理解する能力がないのだと思って、
対策を考えることをお勧めします。

理解してもらえるように本番までにどうにかして伝える。
諦めて、今回はできる範囲で演奏すると決める。
無視して自分の演奏をする。
etc…

その他方法はいくらでもあると思います。

なので、あなたが緊張する必要はないのです。
だって相手の問題だから。

相手の問題を自分の問題にしてしまうと大変なことになります。
いつまで経っても解決しません。
永遠よくわからない変な緊張が続きます。

『境界線を引く』
これが大切です。

とはいえ、
良い演奏会にしたい、最善を尽くしたい
と思いますよね。

こんな時に相手に怒りをぶつけたら、
信頼関係が崩れて演奏どころじゃなくなります。
相手が過度に緊張してますます上手くいかなくなります。

相手の問題を一緒に共有する余裕を持つこと、
一緒に演奏する人たちに理解してもらえるような自分の意思の伝え方、

一流の演奏者はできると思います。

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